Thursday, June 08, 2006

 

詩人:山頭火(Santoka)の紹介(その1.)



山頭火が晩年の1938年から1939年に住んだ湯田温泉。
現在も良い温泉地です。

ここに山頭火の句碑がある。

そしてその近くに山頭火も見たはずの古い医院がある。
写真:上の建物 西洋風の綺麗な建物(現在使用されていない)
    手前が医者の住宅
   この2軒は一対として保存されるべき建物だと思う。

山頭火の句(詩といって良い!) 注:1行で完成した作品

うしろすがたの しぐれてゆくか

どうしようもない わたしが歩いている

分け入っても分け入っても 青い山

ほろほろ酔うて 木の葉ふる

寝床まで月を入れ 寝るとする

雨ふる ふるさとは はだしで歩く

さて どちらへ行こう 風がふく

一つあれば 事たる鍋の 米をとぐ

捨てきれない 荷物のおもさ まえうしろ

酔うて こおろぎと 寝ていたよ

また、山頭火は日記を書き続けていて、その日記が素晴らしい

其中日記 昭和12年(1937年)の巻頭の記述
亡くなる2年前のものです。

自戒三則
1.物を粗末にしないこと
1.腹を立てないこと
1.愚痴をいわないこと
誓願三章
1.無理をしないこと
1.後悔しないこと
1.自己に佞らないこと
欣求三条
1.勉強すること
1.観照すること
1.句作すること

我々が毎年年頭に思うことと大差がないのが愉快だ。

1月3日 曇・・・の記述

茫々たり、漠々たり、昏々たり、沈沈たり
庵中独座

自己清算しろ、自己破算か!自己決算か!
おのづからなる自壊作用!

生きていたくない、死にたい それも執着だ。
この寂寥、この憂鬱、この虚無。
たえがたし、其中一人酔っぱらふ。

生きている真実、食べることの真実、あはれ あわれ。

天地人一切の有象無象!

酒、酒、餅、餅、新年、新年。

老醜。

以上:春陽堂「山頭火の本 9」其中日記(六)による。
かみさんも私も山頭火のファンで、昭和55年発行の全冊を揃えた。
読み返すと「人間」の声が聞こえる。

このブログに相応しい人物を紹介した。
余裕の或る時、生き詰まった時に思い出して欲しい人物では!

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